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​第2話 勇者襲来

 

剣や魔法がこの世の理を支配する世界での物語・・・。

 

この世界には「勇者」と呼ばれる職業の人間が存在する。

 

最後の悪魔が滅んで数百年が経ったとはいえ、人々の心に宿る憎悪や怨嗟の感情は大小様々な形で魔物を生み出し続けている。

ある時は動物に宿り、ある時は形のない影となり、人々を脅かすのである。

 

そんな魔物を退治し、平穏を守ることを生業としているのが勇者である。

類まれなる魔力や知力、鍛え抜かれた肉体、そして何より高潔な精神を持った彼らは、人々から敬い、慕われていた。

 

ディアナはそんな勇者の一人である。

 

彼女は16歳という若さながら、絶大な魔力資質と強靭な肉体に恵まれ、一人前の勇者として各地を旅していた。

彼女が生まれながらにして持っている才能は、自身の肉体を魔力により極限まで強化する戦闘スタイルである。

 

通常、魔法を戦闘に用いる際は、魔力を炎などのエネルギーとして直接撃ち出す方法や、呪文を唱えてより強大な効果を呼び覚ましたりするのが一般的である。

一方、彼女は自身の魔力を肉体の強化に特化して用い、手にした剣一本で敵を討つのである。

 

膨大な魔力で強化された肉体は、並の魔物が放つ炎では焦げ目も付かず、拳は岩をも容易に砕いた。

勿論、一般的な魔法使いが使うような魔法は一通り使えるため、特に一対一の戦闘ではもはやスキがないと言われていた。

 

各地で高名な魔導士が束になっても敵わなかった魔物を次々に退治する彼女は、まさに今をときめく勇者の中の勇者であった。

 

 

* * * * *

 

 

ディアナの耳に、ウィルース領の山の麓に住む悪魔の話が届いたのは丁度近くを旅している時だった。

地元の人々から集めた情報は曖昧かつ人によって内容も異なったが、概ね共通しているのは以下の通りだった。

・この領地は凄まじい力を持った悪魔が人間を通じて支配している

・その悪魔は表には出てこないが、女の子を使用人として毎年村から徴収する

・城の近くは瘴気が漂っており、近づいて命を落とす者もいる

 

自分たちが支配されていながら、その支配主のことを何も知らないというのも不思議な話だが、毎年女の子が城で雇われ、誰一人として帰ってこないというのは事実のようである。

 

しかし悪魔は数百年前に最後の一体が滅んだはずでは・・・?

今の世にまだ悪魔がいるという情報は俄に信じ難かったが、強大な魔物が存在しているということは大いに有り得る。

もしそうであれば、討伐するのが勇者の役目である。

 

ディアナは村人が示した城の方角に向かって歩みを進めた。

 

 

* * * * *

 

 

城が見えるところまで近づいたディアナの目に写ったのは、奇妙な風景だった。

 

この領邦は比較的自然が豊かな地域だったが、彼女がいる場所から城の辺りまでは突然荒野が広がっているのである。

そして目指す城は山の麓から中腹に差し掛かる場所に位置していたが、その山の様子も異常であった。城を中心に木々が枯れ果て、森の半分が枯れ木となっているのである。

 

そしてなにより彼女の注意を引いたのは、城に近付くにつれて漂う異様な臭気である。

腐った卵のような、腐敗したドブのような、はたまた肥溜めのような、そんな不快な臭いであった。

事前に城の周辺には瘴気が漂っているという情報を得ていた彼女は、肉体強化に毒耐性も付与していたが、なんというかこの臭いは、魔力的な瘴気というよりは、もっと有機的なもののように思えた。

 

改めて魔力を込めると、ディアナは城の入り口に向かって進んだ・・・。

 

 

* * * * *

 

 

城の入り口には、拍子抜けするほど簡単に辿り着けた。

強大な魔物がいる城であるというからには、相応の護衛が警護しているものかと警戒していたが、辺りには人っ子一人いないのである。

それだけ自身の実力に自信があるのか、はたまたここには噂のような魔物はいないのか・・・。

 

巨大な正面玄関の前に到着したディアナは腰につけた優雅な長剣をさっと抜くと、扉を蹴った。

重厚な木材で出来た扉は彼女の蹴りでいとも容易く打ち砕かれた。

 

「きゃっ・・!」

しかし、扉を破壊したディアナの目前に広がったのは、恐ろしい魔物などではなく、怯えた目をしたメイド服姿の少女であった。

 

(この子からは、魔力は感じられないわね・・・。村から連れてこられた女の子なのかしら)

彼女はそう思うと、メイドに問いかけた。

 

「私は勇者。ここにいると噂の魔物を倒しに来たわ。あなた達が悪魔に支配されているというのは本当?」

 

しかし、メイドは困惑するばかりである。

 

「いえ・・・。私達はここに住んでいるお嬢様にお仕えしています・・・。私はまだ日が浅いからお見かけしたことはないんですけど、普通の女の子だと思います・・・」

 

(おかしいわ・・・。でも確かに強力な魔力の反応が近くにある。脅されているのかしら・・・)

 

ディアナが考えを巡らせていると、正面の階段から声がした。

 

「あら、お客様?」

 

咄嗟に剣を低く構えると、炎弾を声のする方向に撃ち込む。

しかし声の主はそれをひらりとかわすと、ディアナの前に立ちはだかった。

 

(こいつが・・・魔物か・・・!)

 

眼の前に現れた少女は、ディアナと同い年ぐらいの少女である。

しかしその身が放つ暗黒のオーラは、今まで彼女が戦ってきたどの魔物よりも遥かに強大であった。

 

「私はここのメイド長です。あなたはどちら様?」

 

少女はそう言うと、冷たい目線をディアナに向けた。

やけに丈の短いスカートのメイド服を身に纏っており、年齢に似合わないボリュームのある胸ととくびれ、そして安産型な腰回りと、メリハリのある体つきをしている少女である。

 

「貴様に名乗る名などない!!問答無用!!」

 

ディアナはそう叫ぶと、床を蹴り、一歩で間合いに飛び込むと、メイド長と名乗る少女を切りつけた。

 

しかし少女はふわりとジャンプしてそれをかわし、階段の上に着地した。

 

「いきなり乱暴ですね・・・。こんな者をお嬢様に会わせる訳にはいきません」

 

そう言うとメイド長は何故か自身の短いスカートの後ろに手をかけた。

 

すると、その時、

 

『いいじゃない、その子。私の部屋に通してあげて!』

 

という声がどこからともなく響いた。

メイド長の冷たい声と異なり、無邪気な幼い声である。

 

「し、しかしお嬢様!何かあっては危険です!!」

『丁度退屈してたところだから、いいのいいの。久々のお客様なんだから!』

「はぁ・・・分かりました」

『私の部屋へのゲート作ったげて!』

「かしこまりました」

 

何が何だか分からないディアナを差し置いて、メイド長と恐らくその主人と思われる少女との会話は終わった。

 

メイド長が手をかざすと、そこには薄っすらと光るポータルが開いた。

 

「さあ、お入り下さい。お嬢様がお待ちです。くれぐれもご無礼のないように」

「待ちなさい!まずは貴様を討伐してからよ!」

「物分りが悪い人ですね、早くお行き下さい」

 

メイド長がそう言うと、ディアナが避ける間もなくポータルの方が近づいてきて彼女を飲み込んだ。

 

 

* * * * *

 

 

次の瞬間、ディアナは薄暗い大きな部屋にいた。

部屋には巨大なベッドとソファ等の調度以外は何もなく、天井には不思議な大きな穴がいくつか空いていた。

 

そして、目の前に、美しすぎる幼女がいた。

 

透き通るような肌に月の光のような金髪、あどけない頬には朱を宿し、大きな瞳は宝石箱のように輝いていた・・・。

 

しかし、ディアナはその美しさに見惚れる余裕などない。

 

彼女の放つ暗黒のオーラは、先程のメイド長とも比べ物にならないレベルであった。その魔力はもはやディアナでは測定不能の域に達していた。

 

突然の空間移動により先制攻撃の機会も逸した彼女は、しかし、強大な相手を前に再び剣を構えた。何にも屈しない高潔な志、それが彼女の勇者たる所以である。

 

「貴様が、ここの主か!!!」

「そうよ。シャルロッテっていうの。でも、あなたも今日から私に仕えるんだから、お嬢様って呼んでくれたらいいわ」

「ふざけるなッ!!!」

 

お嬢様の挑発により奮起したディアナは、炎弾を3発続けざまに放つと、剣を構えて突進した。

 

「キャッ!!」

 

服の裾を焦がしながら辛うじてそれを交わすお嬢様に、ディアナの剣の切っ先が迫った。

軽い身のこなしでそれもかわそうとするが、かわした先に更にディアナは氷の矢を放つ。

 

「わわっ!!!」

 

逃げ場を失ったお嬢様は、耐えきれず尻もちをついた。

 

ディアナすかさずその首筋に剣を突きつけると、トドメを刺そうとした。

 

「ま、待ってよ!!!こんなのおかしいじゃない!!」

 

叫ぶお嬢様。

ディアナは剣を向けたままその手を止めた。

 

「私が何したっていうのよ!なんでいきなりこんなひどいことするの!!」

 

そう言うとお嬢様は目に涙を浮かべた。

 

ふと我に返るディアナ。

本当に目の前にいる幼女は強大な悪魔なのだろうか・・・?

今の戦いを見ても、かわすのが精一杯というところで、反撃すらする様子もなかった。

その姿はどこからどうみても、可愛らしい12~13歳ぐらいの女の子である。

壁際まで追い詰められて、頬を赤くして涙目の女の子がそこにはいた。

急に罪悪感に襲われるディアナ。自分はこんな子を殺そうとして、何をしているのだろうか・・・。

 

そういえば、強大な魔力のオーラにしても、感覚を研ぎ澄ませてみると、魔物のように全身から放たれているものではないではないか。

しかし、感じられることは確かなのである。

もっと、体の内側から・・・。

もっと、体の真ん中より少し下のあたり・・・。

丁度、お腹のあたりから・・・。

お腹のあたり・・・?

 

「・・・なんてね」

 

お嬢様は今まで浮かべていた涙が嘘だったかのように、サディスティックな笑みを浮かべた。

そして黒々とした強大な魔力の源、その下腹に軽く力を入れた。

 

「んっ」

 

ぶぼぉぉぉおおおおおぉぉぉっ!!!!!!!!!!

 

床に尻もちをつき、開脚した状態のお嬢様の尻の割れ目から、地響きのような重低音が鳴り渡った。ウェストと同じぐらい太く、肉の付きすぎた太ももに挟まれ、パンツで到底覆いきれない巨尻の割れ目から、大量の毒ガスが噴出した。

 

次の瞬間、ディアナの鼻を猛烈な悪臭が襲う。

 

「むぷっ!!!んんんんんんッ!!!!!!!」

 

思わず剣を取り落とし、両手で鼻と口を抑えて床に這いつくばるディアナ。

全魔力を毒耐性に降り注ぎ、体内の浄化を試みる。

 

しかし、圧倒的な臭いの放屁を前に、それは無駄な努力だった。

 

「あら、流石に丈夫なのね。うちのメイドだったら10回は死んでるわ」

 

そう言うとお嬢様はクスクスと笑った。

 

四つん這いになり、なんとか剣を握ろうとするディアナの眼前に、今にも引きちぎれそうな布に包まれた巨大な双球が迫った。

中腰になって向けられたお嬢様の尻である。

 

「しばらくおねんねしててねっ」

 

バフゥッッ!!!!!!!!!!!!!

 

短いスカートを捲りあげ、巨尻の割れ目から生暖かい風がディアナの顔面に吹き付けられた。

その毒ガスは彼女の髪を靡かせ、息を止めているにも関わらず彼女の鼻と肺をしっかりと犯した。

 

猛烈な吐き気に襲われながら、彼女は意識を失った・・・。

 

 

* * * * *

 

 

目が覚めると、ディアナは薄暗い独房のようなところにいた。

窓はなく、扉もピッタリと閉ざされた密室である。

 

手足は鎖で繋がれていたが、壁や扉は魔力で強化されている様子もなく、普段の彼女の力であれば素手で破って逃げられる程度のものだった。

 

しかし、今の弱りきった彼女では、鼻の奥にこびりついた強烈な放屁の臭いを浄化しようとするので精一杯である。

 

力なく横たわっていると、ガチャリと扉が開き、見たことのないメイドが入ってきた。

 

ショートカットの青みかかった髪に、いたずらっぽい瞳を持った、ボーイッシュな女の子である。ディアナと同年代か少し下ぐらいだろうか。

先程のメイド長のようにスカートは短かったが、胸はふっくらとブラウスを持ち上げる程度で年齢相応に見えた。

 

「うわっ!ホントにもう動いてる!お嬢様の言う通りだなぁ~」

 

部屋に入るなり、何やら一人で騒いでいるが、ディアナに反応する気力は残っていなかった。

 

「お嬢様がね、キミはめちゃくちゃ頑丈そうだから、定期的に弱らせて逃げられないようにしときなさいって言ってるんだよ。そのためにボクがここに来たってわけ」

 

そう言うと、彼女はスカートの後ろを捲り上げ、尻をディアナに向けた。

胸は見た目の年齢相応だったが、尻の発育は全く異なり、一歩動けばバルン!と震える弾力のある尻肉が、スポーティなパンツに包まれていた。

自慢の巨尻を見せつけるかのように揺らすと、彼女は口を開いた。

 

「もう想像ついてると思うんだけど、今からキミにボクの特製ガスをぶっかけちゃいます!言っとくけど、ボクのオナラはめちゃくちゃキョーレツだから覚悟してねー」

 

彼女は上級メイドの一人である。

お嬢様、メイド長に次ぐ屋敷の支配層であり、お嬢様によって見出され、眷属にされた彼女達は、お嬢様と同じく自らの放屁で他人を苦しめるのが何よりも好きだった。

 

「あ、ちなみにお嬢様はすぐにこの屋敷のメイドとしてお嬢様に仕えることを誓うんだったら解放してあげるって言ってたけどどうする?」

 

「ぜ・・・絶対に・・・屈しないわ・・・」

 

「だよね!ボクもその方が嬉しい!お昼からニンニク料理食べすぎてお腹パンパンでさ!」

 

ブリッ!ブビィィィーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

 

突如、ガスが放たれた。

 

ニンニクの刺激臭、と呼ぶには生ぬるい悪臭がディアナを包み、瞬時に狭い部屋に充満する。

 

「きったない音!!くっさぁ~!!」

 

無邪気に喜ぶ上級メイドを尻目に、魚のように痙攣しながらのたうち回るディアナ。

その姿は名声をほしいままにしていた勇者とは程遠いものだった。

 

「どう?臭い~?」

 

ブリッ!ブブゥ!!ブビッ!!!

 

喋りながらも連発するメイド。

 

「ごめんね!一回出すと止まんないんだよね!」

 

そう言いながら今度はディアナの顔の上にしゃがみ込んだ。

顔面スレスレに弾力のある巨尻が今にも押しつぶさんとするばかりに迫る。

 

「ではでは、失礼」

 

ブビィィィィィィィィーーーーーーーィィィィーーーーーーーーーッ!!!!

 

布を裂くような爆音を響かせ、毒ガスがディアナの顔に吹き付けられる。

顔面に毒ガスを塗りつけられたような感覚に陥りながら、彼女の意識は途絶えた。

 

「あら?もう気絶しちゃった・・・。流石に殺しちゃったらお嬢様に怒られるし・・・。つまんないけどこの辺にしとこうっと」

 

そう言うと上級メイドは部屋を去った。

 

扉を締める前に、

 

ブビィッ!!!

 

と置き土産を残すことを忘れずに・・・。

 

 

* * * * *

 

 

ディアナが再び目を覚ますと、そこは変わらず独房の中だった。

 

あれから何時間経ったのだろうか、しかし部屋の中は先程の上級メイドのニンニクっ屁が全く薄まることなく充満しており、呼吸をするたびに吐き気を催した。

 

ぐったりと横たわるディアナに、またしても不吉な足音が近付いてきた。

 

扉を開けたのは、最初に出会ったメイド長であった。

 

「そろそろお目覚めの頃かと思っていました」

 

そう言うと、メイド長は変わらず冷たい視線をディアナに向けた。

 

「お嬢様が、いたく貴女を気に入ってしまわれたようなので、仕方なくここに留めているのです。そうでなければ、私がすぐに始末してしまうものを・・・」

 

メイド長はお嬢様の熱狂的な信奉者であり、また誰よりも深くお嬢様を愛し、愛されている自負があった。飛び入りがお嬢様の気を引いているのが気に入らないのである。

 

次の瞬間、メイド長の巨乳越しの冷たい視線を見上げていたディアナの鼻に、とてつもない悪臭が飛び込んできた。

 

「うグっ!?!?・・・うぇぇっ・・・ゴホッ」

 

「失礼、スカしてしまいました」

 

動く気力を失った彼女を再び痙攣させる程の悪臭は、微動だにしないメイド長の尻から放たれたスカしっ屁だった。

 

上級メイドのニンニクっ屁を一瞬にして上書きしてしまうほどのそれは、凄まじい腐卵臭である。

 

・・・・・スゥーーーー・・・・・ーーーーー・・・・・

 

間髪をいれず、再びスカしを放つメイド長。

 

ほぼ無音で放たれた毒ガスは、屋敷で二番目に大きいと噂される巨大すぎるメイド長の尻を包む純白のパンツを僅かに膨らませながら部屋に解き放たれ、ディアナの鼻に届いた。

 

「また出てしまいましたわ」

 

「うぐぅッ・・・・」

 

力なく痙攣するディアナ。

 

「お嬢様は貴女がさっさと負けを認めて自分にお仕えすれば許してやると仰っています。どうしますか?」

 

「ぜ・・ったい・・に・・・・イヤ・・・・・・」

 

ッスーーーー・・・・・・・ーーーーーーーー・・・・・・・

 

「ふぐッ!?ぅぅ・・・」

 

ディアナに尻を向けることもなく、ただ立ったままスカしっ屁を連発するメイド長。

 

「今日は一晩私がご一緒しましょうか?」

 

・・・・スゥゥゥーーー・・・・ーーーーーーーー・・・・・・・・・

 

これ以上ない悪臭のようでも、追加の一発が放たれる度に更に部屋のガスの濃度は上昇していく。

 

「お嬢様ほどではありませんが、私も物凄くガスが溜まりやすいんです。このまま出し続けてもいいんですよ?」

 

むすぅぅ~~~~・・・・・ぅぅ~~~~~・・・・・

 

体が腐っていくような、体内から腐卵臭がするような感覚に蝕まれ、ディアナの精神も混濁していく。

 

「もう諦めたらいいじゃないですか。楽になれますよ」

 

プスゥーーー・・・・ーーーーー・・・・・・・・・ーーーーーー・・・・・

 

もはや瀕死のディアナに、高潔な意志など残っていなかった。

 

残されたのは、生命としての生き残りたいという本能のみ。

 

「・・・・ます・・・・」

 

「え?よく聞こえないですよ」

 

プスッ

 

「うぅ・・っ・・お・・お嬢様の・・・メイドとして・・・・お仕えします・・・・・・・」

 

「最初からそう言えば良かったのです。まぁ、私のお腹は少し楽になったので良かったですけど。お嬢様にお伝えしてきますね」

 

そう言い残すと、メイド長は踵を返して部屋を後にした。

 

勿論、濃厚なスカしっ屁を放ちながら・・・。

 

 

* * * * *

 

 

ディアナがまたしても目を覚ますと、視界に入ったのは彼女を見下ろすお嬢様とメイド長である。

お嬢様と最初に対面した部屋にいるようであった。

 

「あら、目が覚めたのね。いい夢見られたかしら?」

 

お嬢様はそう言うと、可愛らしく微笑みかけた。

 

「お嬢様、この者は危険です。くれぐれもお気を付けてください」

 

「分かってるわ。貴女はもう下がっていていいわ」

 

そう言うと、お嬢様は背伸びをして、メイド長の頬に軽くキスをした。

メイド長のディアナへの嫉妬は、お嬢様にはお見通しなのである。

 

「か・・かしこまりました・・・///」

 

頬を赤らめると部屋を後にするメイド長。

 

そしてお嬢様とディアナだけが残された。

 

「貴女、すごく高名な勇者みたいね。ワイバーンを3匹纏めて返り討ちにしたなんて中々聞いたことないわ」

 

「・・・」

 

「つれないわね・・・。私ね、貴女のこと気に入っちゃったの。お顔をよく見せて・・・」

 

お嬢様の白魚のような華奢な手がディアナの頬に触れた。

額が触れ合うほどの距離で舐めるようにその姿を眺めるお嬢様。

 

ディアナは控えめに言ってもかなりの美少女だった。

勇者としての知名度は、その実力もさることながら、あまりに魅力的な外見に起因するところも大きかった。

 

使命感に燃え、キリッとした目つきでありながら、顔立ちは柔らかくまさに少女のそれであり、長いまつ毛やピンクの唇が、その無垢な美しさを際立てていた。

 

「本当にステキね・・・。貴女みたいな可愛い女の子が来てくれて幸せだわ」

 

編み込まれた栗色の髪を撫でながら、頬を上気させてお嬢様は囁いた。

 

その手が徐々にディアナの身体に伸びる。

所々に鎧状のパーツを付けた無骨な戦闘服の胸に、お嬢様の手が触れた。

 

「ふふ・・・。人々を守る勇者だなんて言って、こんなにエッチな身体してるんだから・・・」

 

2つの手が、ディアナの鍛え上げられながらも女性的な美しい身体を犯すように這った。

 

その手が秘部に到達しようとしたその時である。

 

「ガブッ!!!」

 

渾身の力を振り絞り、魔力を顎の力に集中させたディアナの歯がお嬢様の手を食い千切った。

 

「あら」

 

しかし一向に動じないお嬢様。

見ると、食い千切られた手は一瞬にして霧散し、元の美しい手が戻っていた。

 

「まだそんな元気があるなんて感心だわ。貴女は顔や身体も魅力的だけど、元気いっぱいなところが一番ステキかもしれないわね!」

 

そう言うと、嗜虐的な笑みを浮かべた。

 

「貴女の身体は後で存分に味わうとして、今は貴女が誰に仕えているのかを教えてあげるわ」

 

お嬢様がパチンと指を鳴らすと、ディアナの隣に管のついた透明な大きな箱のようなものが現れた。

 

「これはね、さっきのメイド長が作ったお仕置きボックスなの。特に頑丈で生意気なメイド向けの道具よ。あの子、魔法でそういうの作るの上手なのよ」

 

少し誇らしげにそう言うと、お嬢様はディアナの首根っこを掴んで持ち上げ、ポイッと箱の中に放り込み、蓋を閉めた。

 

ディアナが透明な箱の中に入ったのを確認すると、お嬢様はふと残されたディアナの小さな鞄に気付いた。

 

「貴女、こんなちっちゃい鞄で旅してたの?こんなんじゃ身だしなみのお手入れもできないわ!」

 

そう言いながら、鞄の中身を出していく。

 

「これは何?勲章っていうのかしら?ステキね!宝石とかついてるじゃない」

 

必要最低限のものしか持たない主義のディアナが旅のお供に大事に携えていたのは、大小様々な勲章である。

あるものは国王から、あるものは地元の貴族の娘から・・・。

 

ディアナの武勇を物語るそれらの勲章たちは、彼女の誇りだった。

 

お嬢様はそのうちの一つを取り出すと、床に置いた。

そして丁度それを尻に敷くように、どっしりと胡座をかいて座り込んだ。

 

「私からも貴女に勲章をあげたいのだけど、そういうのこのお城にはないから、代わりと言ってはなんだけど、私のガスで彩ってあげるね」

 

ブブゥゥゥッ!!!!!

 

くぐもった重低音がお嬢様の尻の下から響いた。

 

お嬢様は重い尻を持ち上げると、その下にあった勲章をつまみ上げた。

 

「これで完成!くっさ~い!こんなの持ってたら、魔物も寄り付かないわね!ある意味魔除けになるかも・・・」

 

そう言うとその勲章をポイッと投げ捨て、次の勲章をまた尻の下に敷いた。

 

「これなんかいっぱい宝石がついてるし何か凄い功績を上げたんでしょうね!」

 

むっすぅぅぅぅぅ・・・ぅぅぅ・・・・・・・・

 

今度は溜めのきいたスカしである。

 

床ごと腐るのではないかという程の悪臭が尻穴の真下に置かれた小さな勲章にこれでもかというほど注ぎ込まれる。

 

お嬢様は飽きもせずにディアナの全ての勲章に二度と近づけない程の悪臭を染み込ませていった。

 

自分の誇りの象徴である勲章を尻の下という最も屈辱的な場所に置かれ、放屁という下品な手段で汚されていくのを彼女は閉じ込められた箱の中からただ眺めることしか出来なかった。

 

「あら、これは何かしら?クマ?」

 

最後に鞄から出てきたのはいかにも手作りといった風情のクマのぬいぐるみだった。

数年前、地元から旅立つディアナに向けて親友がお守りにと作ってくれた大切な品である。

 

「そ・・・それは・・・ッ」

 

渾身の力を振り絞りこれから行われるであろうことを阻止しようとするディアナ。

 

そんな姿を見てお嬢様はロリータフェイスに似合わないサディスティックな笑みを浮かべた。

 

「ふぅん、これは貴女にとって大事なモノみたいね・・・ふふっ」

 

そう言うとお嬢様は片手でぬいぐるみを掴み、片手で自らの尻肉をむにぃっと広げると、尻の谷間に挟み込んだ。

ぬいぐるみはそのあまりに巨大で弾力のある尻肉の間にすっぽりと収まり、お嬢様が手を離しても落ちることはなかった。

 

「よく胸の谷間にモノ入れたりして誘惑する女の子いるでしょ。私はそんな下品なことしないけど、代わりにお尻の谷間にならこうやって入れとけるのよ」

 

お嬢様は尻をディアナの入った箱の方に向けると、尻肉に挟まったぬいぐるみを見せるけるように動かした。

 

「ねぇ、見て、私のお腹。さっきあんなにオナラしたのに、こんなにパンパンになってる・・・。ずっとグルグル言ってるの・・・」

 

軽くお腹をさすると、それに呼応するようにキュ~・・グルルル・・とガスの動く音が響いた。

その間も徐々に下腹にガスが充填されていき、膨らんでいくのが目に見えて分かった。

 

「じゃあ、いくね」

 

そして地獄の門が開いた。

 

むっっすぅぅぅぅぅぅゥゥゥ~~~・・・・~~~ぅぅぅぅ~~~・・・~~~~・・・・・・・・・・・・~~~~~・・・・

 

恍惚とした表情で形容し難い程の悪臭のスカしっ屁を放つお嬢様。

 

腹に押し込められたガスを解き放つのは何回やっても快感らしく、我を忘れて5分に渡って放出を続けた。

 

「はふ・・・・気持ちいい・・・。あっ、いけない!あんまりしたら貴女が死んじゃうじゃない」

 

ふと我に返るお嬢様。

 

尻の間に挟まったぬいぐるみをつまみ上げると、自分の顔の前に近づけた。

 

「うわぁ!くっさ~~~い!!!なにこれ!!!」

 

嬉しそうにはしゃぐお嬢様。

 

ディアナが大事にしていたお守りのぬいぐるみは、もはやお嬢様の尻肉に押しつぶされて変形し、ガスで変色し、悪臭を放つ布切れと化していた。

 

「ごめんね~!これもう使い物にならないかも!・・・んっ」

 

バフゥゥッッ!!!!!!!!!!

 

最後にもう一度尻肉に挟むと、爆風の一発を放つお嬢様。

 

ぬいぐるみだったモノは爆風に耐えきれず吹き飛び、床にポトリと落下した。

 

「さて、準備運動、っていうか準備ガス抜きも終わったとこだし、そろそろ貴女をうちのメイドとして調教してあげるわ・・・って何よ、もう死にそうじゃない」

 

部屋で放たれた余りに強烈すぎる毒ガスは、密閉されたはずのディアナの箱の中にも侵入し、既にディアナを瀕死の状態にまで追いやっていた。

 

「貴女はこれからものすごーく頑丈なメイドとしてたっくさん仕えてもらうんだから、そんなんじゃダメ!」

 

そう言うとお嬢様は不死の呪いをディアナに掛け、魔力を分け与えた。

 

「ほら、これでちょっとやそっとじゃ死ななくなったわ」

 

「・・・何を・・・したのよ・・・」

 

「このままだと死んじゃうから、うちの中級メイドとおんなじアンデッドになってもらったわ。貴女の持ち前の頑丈さとあわせて、かなーりきっつーいお仕置きでも耐えられるはず!」

 

喋りながらお嬢様はディアナが入った箱に繋がるパイプの蓋を外すと、自らの巨尻にあてがった。

 

「この装置、嗅いでる子の表情がよーく見えるのがステキなのよね!お尻に顔を埋めてもらうのもいいんだけど、じっくりやるならこれに限るわ!」

 

お嬢様の興奮に呼応するかのように、下腹が膨らんでいく。お嬢様の腹は出しても出しても猛毒ガスを次々に生成する、まさに無尽蔵のガスタンクだった。

 

「じゃぁ、手始めに一発・・」

 

プスッ

 

パイプの中に、ガス漏れ程度の僅かなガスが放たれた。

 

「んんんんッ!!!!ゴホッ!!!ゲホッ!!!!」

 

その僅かな量のガスは、メイドの入った箱の空気を完全に毒ガスで染めるには十分だった。

 

「なによ、ほとんどまだ出してもないじゃない」

 

ブッ!!ブゥゥゥ!!!ブゥーーーゥゥゥ!!!!

 

まさに「オナラ」に相応しい放屁音が鳴り響く。

 

「んんぁぁ!!!カハッ!!!オェェ・・・・」

 

生命としての拒絶反応を引きをこすような、吐き気を催す悪臭が注ぎ込まれる。

しかしディアナの胃の中に嘔吐するものは残っておらず、ただ床に這いつくばってのたうち回るだけであった。

 

「今日は結構お腹の調子よくてね、私いっつも野菜とかキライだから食べないんだけど、昨日は特にお肉食べ過ぎちゃったの。それにお昼は遠くの国から来た、ニンニクがたっくさーん入った麺もいただいたわ。あとね、これはヒミツなんだけど、お通じも2週間ぐらい来てないの・・・」

 

意識を朦朧とされながら、絶望的な情報を耳に入れるディアナ。

 

ブリッ!ブリリリリリィッ!!!!

 

今度は下品な音がお嬢様の尻から響いた。

 

「あら、失礼!こんな下品な音が出ちゃって、レディ失格だわ」

 

スゥーーーーーぅぅぅーーーー・・・・ーーーーーー

 

今度は衣擦れのような音の放屁。

 

「そうそう、これこれ!やっぱり音無しのオナラはレディの嗜みよね!」

 

スカしたことで更に濃度を増したガスは、色があれば箱の中のディアナの姿は全く見えない程の密度で充満していた。

 

「私ね、スカしっ屁って大好きなの。上級メイドと一緒にご飯食べてる時にね、こっそりブスゥ~ってやるとすっごい面白いのよ!みんなのたうち回ったり、急いで部屋から逃げたりして笑っちゃうわ」

 

ブッスゥゥゥ~~~~ゥゥゥ・・・・・・・・・

 

「こんな感じでね!」

 

もはやディアナは陸に打ち上げられた魚のようにビクンビクンと痙攣するだけである。しかし不死の呪いと自らの強靭な身体のせいで、苦しみから逃れることも出来ずにいた。

 

「そろそろディナーの時間だし、今日はこのぐらいにしとこうかしら。また明日来るわ!」

 

そう言うとお嬢様はパイプを改めて尻にしっかりとセットすると、下腹に力を込めた。

 

 

む゙っすぅぅうぅぅぅぅ~~~~~~~~ぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~・・・・・・・・・~~~~~~~~~~~・・・・

スカァーーーーーー・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

今までに出したガスの臭さを全て足し上げても到底及ばない程の悪臭が、一発のスカしっ屁で放たれた。

 

ディアナの身体は髪の一本、肺胞の1つにまでお嬢様のオナラが染み込み、哀れな毒ガスの燻製と化した。

 

「明日までずっとガス残ってると思うから、存分に堪能してね!」

 

パイプの蓋を閉めると、そう言い残してお嬢様は去っていった。

 

 

その日の責めがいかに苛烈だったかは、食事に呼ぶために部屋の前にやってきた中級メイドが、不死の呪いを掛けられているにも関わらず漏れ出たガスで死んでしまったことが十分に物語っていた。

 

ディアナの受難は、まだ始まったばかりである・・・。

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